2024年3月末、仙台市仙台泉にあるフィットネスジムが5年の歴史に幕を閉じました。サイトを見ると、豊富なマシン、フリーウェイトエリア、ストレッチエリア、休憩・飲食スペース、タンニングマシン、シャワールーム、酸素ボックス、レンタル品(シューズ、ウェア、タオル)、完備された駐車場など、充実した設備が整っているようです。
月会費も7,590円とリーズナブルな料金設定で、フルタイムでしっかりとした経営とサービスを提供しているようです。24時間オープンしていますが、スタッフが常駐し、初心者にも十分なサポートを提供しているとのことです。
閉店の原因は以下の点が考えられます。
1.補助金ありき
補助金を利用して無駄な経費を費やしてしまった可能性があります。酸素ボックスやレンタル品、タンニングマシンの導入だけでなく、その後のメンテナンスにも時間とコストがかかるかもしれません。また、一部の利用者しか得られないサービスでは集客の魅力とならないかもしれません。
2.初期の集客の失敗
初期の集客費用を考慮せずにスタートしたため、適切な集客費用を捻出できなかった可能性があります。
3.中高年・高齢者を無視している
サイトを見る限り、最も大きなグループで金銭的にも余裕のある中高年や高齢者向けの広告や受け入れ態勢が不十分であった可能性があります。今後は、中高年や高齢者向けの施策が必要とされるでしょう。
4.パーソナルトレーニングの価格が高額
パーソナルトレーニングの価格が高額である可能性があります。月会費に加えてパーソナルトレーニング費用がかかる場合、一般的なパーソナルトレーニングジムよりも高額になる可能性があります。会費を徴収しているのであれば、パーソナルトレーニングの費用は低めに設定すべきです。また、施設の特色を価格に反映させていない可能性もあります。
5.差別化が不十分
差別化が不十分だったことが大きな原因と考えられます。他のジムでも類似の設備が提供され、価格競争も激しくなっています。差別化を図るためには、ハード面よりもソフト面を強化する必要があります。
日本の人口の多くの層を占める中高年・高齢者の会員を獲得するには、関節や腱に負担のかからないように、ダンベルやバーベルを使わないトレーニングのメニューを充実させるなどの工夫が必要です。
多くのパーソナルトレーナーは、ボディメイクやダイエット目的のクライアントへのノウハウを持っていますが、中高年・高齢者に対してのノウハウを持ち合わせていません。
事業を回復させるのは新規オープンよりも難しく、コストもかかります。
一度流れた評判を塗り替えなければなりません。
場合によっては店名を変更したほうが安く早く解決できる場合もあります。店名が人々に与えるイメージにより集まる会員の層も変わってきます。
また、色使いも重要です。コロナ禍前とアフターコロナでは、人々が受ける印象が変わってきています。
サイトの色、ユニフォームの色、看板、チラシなども見直す必要があるでしょう。
これらは当たり前のことかもしれませんが、外部の専門家の知識を頼らずに成功することは容易ではありません。
特に事業再構築補助金を活用し、異業種から参入したジムの多くが経営難に陥っている状況です。早めの対策と専門家のサポートを受けることで、事業を軌道に乗せることができるでしょう。
いろいろな方と話をし相談して確認をしながら決めてください。