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チョコザップの成功から学ぶ ジムの収益を上げる方法

  • 業界情報

フィットネスジム業界は淘汰の時代に突入しています。2024年2月時点で、資本金1億円以下のフィットネスクラブの倒産件数は28件と、前年の16件から増加しています。この背景には、コロナ禍で減少した会員数を回復できなかったことが大きな要因として挙げられます。

そんな中、黒字転換を果たした企業として注目されているのがチョコザップです。パーソナルジムを経営するRAIZAPグループの一員であることは広く知られています。

ライザップはコロナ禍の影響で業績が悪化し、2022年には127億円の赤字を計上しました。しかし、この赤字を解消し黒字化へ導いたのが、無人小型トレーニングジム「チョコザップ」です。現在、会員数は127万人を超えるとされ、①着替えや靴の履き替えが不要で気軽に運動できる、②24時間365日利用可能、といった特長を打ち出し、フィットネスクラブのハードルを下げることで「町のサブスク」のような存在を目指して成長してきました。

入会前後のフェーズをしっかりと考える

2024年8月15日時点で、チョコザップの会員数は127万人に到達し、全国32都道府県に1,597店舗を展開しています。退会率は6割、週に1回以上来店する会員は8割を超えています。ここまでの数字を達成した背景には、チョコザップの持つ人を惹きつける魅力があると言えるでしょう。

その成長要因として、①月額料金を2980円に設定し、ローエンドモデルを確立したこと、②支払った金額に見合う価値を提供したことが挙げられます。①は、入会したくなるような価値を提供できた点であり、②は継続して利用したくなる「サービス」を提供できた点です。これらのサービスには、エステやネイル、脱毛、カラオケ、ドリンクバーなどが含まれ、発表されるたびにスポーツジム業界から批判を受けました。しかし、皮肉なことに、批判が高まるほどチョコザップの顧客は増えていったのです。

オペレーションコストの徹底的な見直し

チョコザップはセルフサービスを徹底しています。カラオケやネイルなどのサービスが使い放題であっても、無人店舗であるため固定費はかかりません。オペレーションコストはほぼゼロに近い状態です。このようなオペレーションは、既存のジムでは真似できないウルトラCと言えるでしょう。

あるフィットネスマシンメーカーの社長が「チョコザップはすごいね。最初は首をかしげるようなことをやっているのに、結果として数字がついてきている」と苦笑いしながら語っていたのが印象的です。

現場をもっと見つめ、人々が求めていることを知り、どこにコストが生まれるのかを考えることが重要です。フィットネス業界のマーケット規模は約650兆円とされており、まだまだビジネスチャンスは存在するはずです。

★余談になりますが、ライザップグループによると、1週間来店のない会員に対してアプリで来店を促すポップアップ画面を表示するほか、店舗内のAIカメラで利用状況を自動解析し、マシンの種類や台数の最適化を進めるなどの取り組みを継続しているそうです。

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