中小企業のM&Aは今に始まったことではないですが、最近、注目を集めていることも事実です。国は中小企業経営者の高齢化で、廃業の嵐が吹き荒れることを恐れています。1中小企業が後継者がいなくて廃業した場合、そこで雇用されている従業員も職を失うことになります。ここが問題なのです。
だから国は必死で事業継続をさせたいのですが、中小企業のM&Aはそんなに簡単なものではないです。株式の問題、相続の問題、事業価格の問題、譲渡後の税金の問題等、それらが事業譲渡をスムーズにできない要因になっています。もっと、中小企業を容易に事業譲渡できる環境整備を急がないと手遅れになるような気がします。
中小企業のM&Aの場合、売り手も買い手も素人集団です。だから、相場観などよくわからないでやっているし、DD(デューデリデンス)等もとても違和感を覚えます。最後は値段の交渉になってくるわけですが、大手企業のように経営と資本が分離しているわけではないので、「愛着」「思い出」「感情」がそこに出てきます。感情が出て来るとまとまるものもまとまらなくなります。そこの部分をお金ではない何かでフォローするなり、埋めていく必要があります。
それがM&Aアドバイザーの腕の見せ所と言えばそうですが、やはり、売り手も買い手もアドバイザーがついて中小企業のマッチングを成立させていくことが良いと思います。中小企業のM&Aの場合、仲介もありかなと最近思ってきました。そうしないと、買い手が素人だとそこでマゴマゴしてしまい、成立のチャンスを逃してしまう可能性が高いからです。国からしてもマッチングできなければ損失となります。
中小企業のM&Aアドバイザーの資質を高めて、中小企業の経営がわかる人材をどんどん育てていくことが近道かなと個人的には思います。私もその一員でありたい。
2021-08-17
M&Aアドバイザー
南本静志